愛犬がブラッシングをさせてくれない理由。対策と正しいブラッシングを解説

家だとブラッシングをやらせてくれない…

トリミングに出すと大人しくやらせているのに…

犬の飼い主さんはこのような悩みをお持ちではありませんか?

家でブラッシングをしているのにトリミングに出すと毛玉料金を取られるし、正しいブラッシング方法を身に着けて、いつも綺麗でいて欲しい。

こんな想いをお持ちの方も多いと思います。

定期的なブラッシングで毛並みを整えるのが重要なスコティッシュテリア

そこでブラッシングを嫌がる理由と対策、頻度に加えて、ブラッシングに必要な道具と正しいブラッシングのやり方を解説します。

実際に私はトリマーとして学校で2年、現場で5年程働いていたので、ぜひ参考にして下さい。

この記事を読めば、家でもブラッシングをさせてくれるようになり、毛玉やボサボサに悩まなくなりますので、ぜひ最後までお読み下さい!

著者情報(山本たけし):トリマー専門学校卒業。トリマーとしてペットショップで4年ほど働き、生体の販売員としても2年ほど勤務。愛玩動物飼育管理士やJKCトリマーB級、JKCハンドラーC級

犬がブラッシングを嫌がる理由と対策

愛犬がブラッシングを嫌がる理由は下記の3つが多いです。

  1. ブラッシング時に痛い思いをした
  2. コームやスリッカーなどの道具が怖い
  3. ブラッシングの中で触られるのが嫌い

首かしげなトイプードル

それぞれ対策法が違うので詳しく解説します。

①犬が痛い思いをした

愛犬がブラッシングで痛い思いをした経験があると、当たり前ですが嫌がります。

犬の皮膚は人間の皮膚より敏感です。

毛玉を取ろうと無理やり引っ張ったり、ブラシを強くこすりつけることで、無意識のうちに犬に痛い思いをさせています。

実際に、お客様の相談で1番多かった原因が、下手なブラッシングで犬が痛がっていることでした。

そのため、愛犬がブラッシングを痛がる場合の対策として、まずは正しいブラッシング方法を身に付けましょう。

※ブラッシングのやり方はこの記事で後述しています。

次にブラッシングではなく、犬をなでる感覚でブラシを使ってコミュニケーションをとって下さい。

飼い主さんがやっても痛くないと覚えさせるためです。

以上の2点をやれば、犬が家でのブラッシングが嫌いじゃなくなり、ブラッシングで痛い思いをさせる事もありません。

②コームやスリッカーなどの道具が怖い

ブラッシングで使用する道具自体を怖がる犬もいます。

特にビビりだったり、警戒心が強い子に多いです。

実際に犬は道具や置き場所を覚えます。

例えば、散歩のリードを見せるだけで喜んだり、おやつの棚にいくだけでおねだりする感じです。

なので、ブラシを取りに行くだけで、犬が遠くに逃げたりブラシを見ると隠れたりします。

対策としてブラシを見せたら、ご褒美がもらえると犬に覚えさせましょう。

例えばおやつをあげたり、おもちゃで遊ぶ合図にしたりすると効果的です。

少しずつ慣れてきたら見せるだけでなく、体に触らせたらご褒美をもらえるように切り替えます。

道具に慣れたらブラッシングをしてOKです。

犬が触られるのが嫌い

そもそも触られるのを嫌がる犬がいます。

理由としては下記の2つがあげられます。

  1. 飼い主さんとの信頼関係が出来ていない
  2. 触られると嫌な場所がある

私が働いていた時もとても苦労しました。

実際に、ほとんどが月に1度しか会えないので犬との信頼関係を築くのも時間が掛かりました。

また、触られるのが嫌な場所がある時は、どうにか気を逸らしてブラッシングをしていました。

対策として、犬との信頼関係が出来ていない場合は仲良くなる努力が必要です。

時間がかかる事も多いので、根気よく続けましょう。

触られると嫌な場所は、その犬によって違いますが前足やしっぽが多いです。

嫌な場所を触らせてくれたら、ほめたりご褒美をあげて慣れさせていきましょう。

ただし、触った時に怒ったらご褒美はなしです。

触られても我慢できた場合のみ、ご褒美をあげて下さい。

犬のブラッシングの頻度はどれぐらい?

ブラッシングの頻度は長毛種であれば毎日が理想的と言えます。

ブラッシングの頻度はどれぐらい?毎日・毎週・毎月?

毎日の習慣化さえしてしまえば、犬も人間もストレスがぐっと減るからです。

時間も5分程で問題ありません。

全身ではなくブラッシングする場所を毎日変えて、少しずつやればOKです。

しかし、毎日は難しい方もいるでしょう。

その場合は週に2〜3回が目安です。

週に1回だと犬に毛玉が出来てしまいます。

私のお客様でもすぐに毛玉が出来てしまうので、毎週ブラッシングに来ていた方もいらっしゃいました。

毛玉になると犬が痛がったり、ブラッシングに時間がかかるので、デメリットが大きいです。

なので、高頻度で少しずつを意識すると犬も飼い主さんも、かえって楽になります。

犬のブラッシングに必要な道具

ブラッシングに必要な道具は下記の2つです。

  1. スリッカー
  2. コーム

ブラッシングに必要なスリッカーとコーム

実際に私を含めプロのトリマーさんは、ほとんどこの2つだけでブラッシングをします。

イタリアングレーハウンドやフレンチブルドッグなどスムースコートと言われる被毛の短い犬種は、シリコンブラシや蒸しタオルでOKです。

被毛が短いと毛をとかすと言うより、抜け毛の処理や皮膚の汚れをとるのが重要になります。

スリッカー

T字型の剣山状になっているブラシです。

ハードタイプとソフトタイプがありますが、よっぽどの事じゃない限りソフトタイプでOKです。

先端に丸い球がついている物もありますが、すでに毛玉がある場合は球が付いていないタイプがいいでしょう。

コーム

I字型でブラシの隙間が2種類あるタイプの道具で、上記の写真の1番左がコームです。

大きさは様々ですが、犬種に関わらず大きめがおすすめです。

小さいと余計な力が入ったり力の伝達が大きいので、無理に引っ張る原因になります。

愛犬の正しいブラッシングのやり方

ブラッシングをしたい場所に対して、垂直にスリッカーで縦に楕円を描くようにブラッシングして下さい。

シーズーを例に正しいブラッシング方法を解説

被毛をとかすと言うより、皮膚をたたくイメージで手首のスナップを利かせます。

左手で被毛をかき分けて、根元からとかしましょう。

難しい場合はドライヤーを使うと被毛が自然に分かれるので、やりやすいです。

最後にコームを使って毛玉やもつれがないかチェックしましょう。

コームでチェックしている時に、引っかかっても無理に引っ張らないようにして下さい。

また、スリッカーは剣山状なので、たたくのは痛そうと思われるかもしれません。

しかし、面積が大きいので面でたたけば痛くありません。

むしろ、剣山状のブラシで皮膚をひっかいたり、毛玉を引っ張っる方が痛がります。

多くのトリミングサロンではガラス張りになっており、中が見える仕組みなので参考にするとわかりやすいです。

まとめ・終わりに

今回は「犬がブラッシングをやらせてくれない理由と対策、正しいブラッシング方法」について紹介しました。

ブラッシングをする意味として、被毛を綺麗に保つだけではありません。

普段は見えない皮膚を見る事で病気の早期発見にもつながります。

また、飼い主さんとのコミュニケーションの時間ができれば犬にとっても幸せです。

ぜひ、この記事を参考にお家でブラッシングにチャレンジして下さい!