犬の爪切りのお手入れ方法や頻度を解説!爪の切り忘れは足腰関節の負担

犬には定期的に欠かせないお手入れがあり、怠ると健康を害するだけでなく、家族や周りの人に怪我を負わせてしまうこともあります。

犬に必要な定期的なお手入れの中でも、一番難易度が高いと言われるのは、爪切りです。

爪切りは苦手とする犬が多い上に、切りすぎてしまうと出血をさせてしまう場合もあり、家族ではなかなか難しいとされています。

今回は、自宅で爪切りを済ませるための基本的な方法をご紹介させていただきます。

犬の爪切りの基本的な手順

犬の爪をよく観察してみると、切ったばかりの爪の断面は、中央部分に瑞々しさのある芯が見えます。

これは爪の先まで伸びている痛覚、神経です。

爪切りをする時は、この神経を切断することの無いよう注意しながら、神経の数㎜手前までの長さで爪を切り揃えます。

爪切りの基本的な手順は以下の4Stepです。

  1. 犬を抱きかかえ、爪先に軽く触れ、爪を切ることを認識させる
  2. 爪1本を軽くつまみ、専用の爪切りで余分な部分を切り落とす
  3. 犬が嫌がる場合は、無理強いをせずに、休憩をさせ、リラックスしてから再開をする
  4. 前足には狼爪(ろうそう)と呼ばれる肉球の上部についているので、この爪も忘れずに切りそろえる

犬にとって体の末端部分は、痛みを感じる急所でもあります。

爪を切る行為を条件反射的に拒絶する場合も多く、無理強いをすることでかえって犬の警戒心を強めてしまう場合が多々あります。

愛犬が嫌がる場合は、おやつなどで気を反らし、優しく声を掛けながら、爪切りを進めてください。

犬の爪切りに必要な用品

犬の爪切りを自宅で済ませる場合はあらかじめ専用用品を買いそろえておきましょう。

飼い主が愛犬の爪切りのために用意しておくべき爪切り用品は以下の3つです。

  1. 犬用爪切り
  2. 爪やすり
  3. 止血剤

①犬用爪切り

犬用の爪切りには、ハサミ型とギロチン型の2つの形状があります。

画像はギロチン型の爪切りです。

小型犬や子犬には、ハサミ型、中大型犬にはギロチン型がオススメです。

爪切りを長年使い続けていると、切れ味が悪くなり、犬に不快感を与えるので、定期的に買い替えが必要です。

買い替えの目安は、切れ味が悪くなった、バネが弱くなったなど、購入当初に比べ劣化を感じた時です。

月1回の使用目安の場合、半年~1年程での買い替えをオススメします。

②爪やすり

爪切りで一定の長さにカットした後、愛犬の爪は尖った状態になっていることが多いです。

人間でも爪切りをしたあと、触ると尖っていて皮膚を傷つける恐れがあることがあります。

愛犬の爪が尖っているとカーペットやフローリングの板の隙間にひっかかり、爪が剥がれてしまう怪我が起きます。

そうならないように、爪切りで切った後の愛犬の爪の尖った部分を爪やすりで削り、丸めるようにします。

爪やすりも経年劣化で削り味が低下するため、表面のサビの状況を確認しながら、取り替えましょう。

③止血剤

愛犬の爪切りが問題なくできれば、止血剤は必要ありません。

しかし万が一、爪切り時に神経を切断してしまうと、出血を起こします。

このような場合は、専用の止血剤を患部につけ、爪の根元部分を強くつまみ、止血をしましょう。

出血後は、犬も恐怖で興奮状態にあります。

出血をさせてしまった時は、止血後即座に爪切りを再開せずに、後日改めて爪切りを済ませましょう。

犬が爪切りを嫌がる理由!家族の誤った方法で爪切り嫌いが悪化することも

爪切りは家族にとっても難しく、敬遠したいお手入れでしょう。

小さく細い爪を切ること、出血するかもしれないという不安から、気がつかない間に家族も普段と違う雰囲気が漂っています。

愛犬は家族のこの違和感を敏感に察知・警戒し、爪切りが危険な行為ではないかと考えてしまいます。

その上、家族が愛犬を強く抱きしめたり、押さえつけてしまったり、爪先を握る手に無意識に力が入ってしまうこともあるでしょう。

愛犬の爪切りをスムーズに短時間で終えるためには、家族も愛犬もリラックスした状態でいることが何よりです。

爪切りは1日で4本の足全ての爪を切り終える必要はありません。

1日数本、1日5分と決め、時間をかけてゆっくり仕上げても問題ありません。

お互いが無理をしない、負担にならない方法が、爪切りを習慣化する上で大切です。

犬が爪切りを嫌がる場合の対処法

ペットショップの店頭には様々な爪切り用品が並ぶものの、実際に自宅で爪切りを済ませるのは簡単なことではありません。

自宅での爪切りが難しい場合は、トリミングサロンや動物病院を定期的に利用しましょう。

トリミングサロンや動物病院では、爪切りを1回500円前後で引き受けてくれることが一般的です。

プロのトリマーであれば、爪切りは5分程度で終わる上に、出血をさせてしまうことも滅多にありません。

爪切りが苦手だからと、お手入れを諦めるのではなく、どうすれば爪切りを月に1回完了できるかを最優先に考えてみてください。

爪切りの頻度は月に1回、切り忘れで愛犬に負担

犬の肉球はクッションやブレーキの役割を果たしています。

犬が歩くとき、肉球と地面が正しい角度、位置で接触することで、犬の体へのダメージを軽減してくれます。

でも爪が伸びすぎていると、肉球よりも先に爪先が地面に触れてしまい、肉球は浮き上がった位置にならざるをえません。

これでは本来の機能を発揮できないばかりか、爪によって浮き上がった指先は歩くたびに強い衝撃を受け、次第に足腰、関節にまでそのダメージは伝わってゆきます。

愛犬がフローリングの床を歩くとき、コツコツと固い物が当たる音がしていませんか?

愛犬に飛びつかれた時、爪が当たり、痛いと感じることはありませんか?

これは、爪が伸びすぎているサインです。

爪切りを怠ると、愛犬自身はもちろん家族や周りにも怪我をさせてしまう危険もあります。

まとめ・終わりに

今回は、犬のお手入れの中でも絶対に怠ってはいけない爪切りの方法について紹介しました。

爪切りは苦手な犬が多く、プロトリマーでも手を焼くことが珍しくありません。

ただ爪切りは犬が元気に暮らす上で欠かせない大切なお手入れです。

月1回を目安に必ず爪切りを済ませましょう。

自宅での爪切り方法を習得することはもちろん、自宅では爪切りが難しい場合は、定期的にトリミングサロンや動物病院に依頼をしましょう。